この想いを君に… −あの場所へ−
「ただ…光には絶対に言わないで」

そーちゃんはこの事を何度言ったか、わからない。

「…うん、わかってるよ」



光さんに言えば、絶対に戻ってくる。

今までどっぷり浸かってきた世界を出て、親から望まれている場所へと旅立った。

のに、戻ってきたら意味がない。



「真由もわかってる?」

そーちゃんは少し怒りながら真由ちゃんの手からケータイを取り上げた。

「メールで打たないように…」

そーちゃんのあまりの形相に真由ちゃんは頷くしかなかった。



そう、一番危険なのは真由ちゃん。

割とメールなどで光さんと連絡を取ってるから。



真由ちゃんは俯いたまま、黙っていた。
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