この想いを君に… −あの場所へ−
「オリンピック、2年後、シニアに上がってすぐの話だよ」

私はため息混じりに言った。

上を目指して頑張るけど、果たしてどこまで出来るのかな。

「でも、ジュニアだとアジアNo.1、なんだろ?」

祥ちゃんの言葉に私は頷く。

うん、そうだけどね。

「今はジュニアだから」

「ジュニアもシニアも関係ないよ」

祥ちゃんの眼差しは私を鋭く貫いた。

「年齢なんて、関係ない。
お前の立場なら、何歳であっても人を感動させる演技を目指すべきだと思う。
俺なら人が興奮する走りを、だよ」

パパは頷いて

「そうだね。
桜の演技を見て感動してくれる人が沢山出てくるといいね。
…いつか世界選手権やワールドカップ、そしてオリンピック。
そこで上位に行けたら…凄いだろうな。
その時は見に行くから」

私は笑って頷いた。
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