この想いを君に… −あの場所へ−
…そう言いかけて、止めた。



『じゃあ、何?』

「…何でもない」

『えー?なんかあるやろ?隠し事、あるんと違う?』

「えっ?何にもないよ…?」

口が裂けても言えない。



パパが難病、だなんて。

だから戻って来て、なんて。



言えない…



『変なむっちゃん。
それよりみんな、元気にしてる?』

「うん!」



声だけでも、明るく見せてみる。



でも、今のあたし。

泣きそうな顔をしてる。
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