この想いを君に… −あの場所へ−
「光くん、いらっしゃい!!」

相変わらず、真由ちゃんはキラキラした笑みを浮かべて出迎えてくれる。

確か…初めて会った時も。

今くらいの時期だった気がする。



もう、何年前の話だろう。



最近、ふとした瞬間に思い出される昔の話。



「むっちゃんは今日、学校なのよ」

真由ちゃんは残念そうに言った。

「ええよ、どうせ火曜日からはちょっとむっちゃんを借りて行くから…」

火曜日が終業式やから、その日の午後、一緒に大阪へ行く。



「光さん、久しぶり!!」

階段を慌てて降りてきたのは知樹。

公立は土曜日、学校休みやから知樹は家にいてた。

「久しぶりやな〜!!」

そう言って俺は知樹の頭を撫でた。

…少し、身長が伸びたか。
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