意地悪な君と優しい君
気になる人
私は今日も図書室に来ていた。

3日に1度は呼ばれて来ている。

純と一緒に昼ご飯を食べている時、前から思っている事を純に言った。

「ねぇ?」

「んー?」

「あのさ、純…私の恋を協力してくれるって言ってたのに、何で…私にキ、キス何かするの?」

「…分かんねぇの?」

「えっ?」

「知ったかぶりだったり?」

「はぁ…マジで分かんねぇ?」

「…遊びで「遊びなわけないだろ!!」

私の声に純の声が重なる。

純が強く言った。何か…怒ってるような喋り方。

「分かんない。だって…恋人同士じゃないのに…こんな事…隠れて…するなんて…おかしい…でしょ?」

「秋は嫌?」

「私は…わからない」

本当にわからなかった。自分が今、何を思ってるのか。

「…で?」

「…何が?」

「さっき…私が聞いた時、分かんねぇの?って言ったやつ」

「あぁ…秋分かんないんだろ?」

「うん…だから教えて?」

「ダメ。秋は鈍感だからダメ」

「えー何で?」

そう言って焦る私を見て、クスクス笑う純。

「な、何よ…」

「いや?別に」

何もかもスッキリしない私。拗ねてお弁当を片付け初めた。

「何怒ってんだよ?」

「別に怒ってないもん」

ちょうどその時、チャイムが鳴った。

「じゃあ俺、先戻るけど…秋も早く戻れよ」

私はそっぽを向いて、何も答えなかった。

「はぁ…じゃあな」

そういって、私の頭にポンッと手を一瞬乗せて、図書室を出ていった。

純に頭を撫でられるのや、ポンッってされるのが好き。

私はさっきまで拗ねていたのに、もうそんな事忘れていた。
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