Girls Kiss・『中学生のキス』
「そっ…んなことっ、無いもん!」

そう言っていきなりアタシにキスをしてきた。

―キス、されてしまった。

一瞬だけ触れたあたたかな感触。

「…とだぁ」

「えっ…?」

「何の味もしないね…」

泣きそうな彼女の顔を見るのははじめてだった。

だからそのままアタシの前から去って行っても、何も声をかけられなかった。

唇に触れてみた。

味はしなかったケド…彼女のぬくもりが、唇に残っていた。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop