【シリアス】marionette
少しだけ、暗闇に目が慣れてきた。
窓も家具もない、広い部屋。
ドアはたぶんどこかの壁に紛れてるんだろうけど、こういうときには動かないほうがいいだろう。
私の本能がそういっている。
-動カナイ方ガ 安全ダヨ-
ここは、もしかしたら私の知っている場所なのかもしれない。
こういう状況に慣れているのかも。
常識的に考えると、こんな状況になれてるなんて普通はありえないのかもしれないけど。
でも何もわからない以上、私は私の勘に頼るしかなかった。
とはいえ、別に自由が奪われているわけじゃない。
手も足も自由に動くし。
傷も痛みもないし。
この部屋なら自由に動き回れる。
身につけているものは、薄手のワンピース。
寒い時期ではないのか空調が効いているのか、寒くはない。
石の床だけが、ひんやりと冷たい。
暗いのは、別に平気みたいだ。
一片の明かりもなく、何か出そうな闇に座っていても、不思議と怖さは感じず、むしろ懐かしささえ感じる。
-ソウ-
-本当ニ怖イノハ 次ニ明カリガツイタトキ-
どこからともなく、声がした気がした。