オフィスラブ
「深雪、なんか泣きそうな顔してない?」


ケンジの家に着いて精一杯笑ったつもりだったのに、私は作り笑いすらできないくらいダメージを受けていた。


「俺にそんなに会いたくなかった?」


「ふふ。相変わらずケンジは気にしすぎ。

違うよ……」


「じゃあ、まさかもう失恋したとか?」


「!!」


失恋……


その言葉にさっきの光景が浮かんで涙が込み上げそうだった。


「ゴメン。荷物貰って帰るね。」
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