†夢への対価*右目と眼帯†
「お呼びでございますか、お嬢様?」
菖蒲は20歳前後にしてはかわいらしすぎるのではないかと思われる、先程までしていなかった髪型をしていた。
今は耳のちょうど横ほどで髪を二つに結んでいる。
その髪をいぶかしげに見ながらも、少女はそれを頭の中から消し去るように小さく咳ばらいをした。
「菖蒲さんを呼んだのは他でもありません。菖蒲さんも分かっているとは思いますが、今日、御祖母様はどの着物を着てこいとおっしゃられていましたか?」
やや楽しげに聞いてるところからすると少女はやはり乙女である。