†夢への対価*右目と眼帯†
「あぁ…でも…本当にどれにしたらいいのかしら…?菖蒲さんはどれがいいと思います?」
首を傾げて(かしげて)聞く咲乱に、菖蒲はうーんと小さく唸り
「これなんかどうですか?」
と一つの着物を手に取る。
菖蒲が手に持っている着物は、夜空を背景に桜が咲いているという、いかにも咲乱に似合いそうな物だった。
「まぁ…綺麗ですわ…これ!これにいたしましょう♪」
菖蒲が選んだ着物がよほど気にいったのか、早速着てみようと部屋の隅にある着替え室に行き、服を脱ぎ始めたようだ。
菖蒲は、その場で嬉しそうに咲乱が出て来るのを待っている。