†夢への対価*右目と眼帯†
「遅かったですね桐會。何かあったのですか?」
車に乗りこんだ直後に、黒色に金色の蝶をほどこしてある着物を着た女の人が口を開いた。
ビクッ…
桐會は女の人が険しい顔をしていたため、身を縮めながらもしっかりとした声で理由を説明する。
「申し訳ありません奥様。お嬢様と少し立ち話をしておりましたので…」
「そう…ならいいわ」
桐會が理由を説明するとそれまで険しい顔をしていた女の人の顔が優しくなった。
それを確認したもう一人のスーツを着た男が、車を発進させた。