草食系王子に蜜な口づけを


あたしは書き終わるとチョークをおき、静かに席に戻った。



それと同時に先生の「正解だ」と言う声が聞こえてきた。



それはまるで心の中で舌打ちでもしているような、怒りに満ちた声。



こんな先生をあたしは何人も見てきた。



先生なんかに期待なんかしてない。



てか学校そのものに期待なんかしてない。



陸と会える。



彩乃と会える。



ただそれのためだけに・・・・。



♪キーンコーンカーンコーン♪



「起立、礼」



生徒の号令とともに、社会の授業が終わる。



そしてあたしの机の近くに女子が集まってきた。


「やっぱすごいね!彩乃!!」



クラスの女子とは仲いいほう。



まぁ、あたしが陸を好きだなんて気づいたら嫌いになるだろうけどね?
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