草食系王子に蜜な口づけを
『なんか彩乃にお話あったんでしょ?僕も聞きたい!!』
陸は満面の笑みを浮かべてる。
空気読めって・・・・。
「ええよ?」
その答えに満足そうに笑うと陸の口が動いた。
『じゃ〜あ、なんか深刻そうだから体育館裏でお話しよ!』
そう言って陸はかりなの手を掴むと、笑いながら歩いていった。
ささいなことだけど、手握ってほしくなかったな・・・。
なんてね。
手袋忘れたし。
「さむ・・・・っ。」
あたしは手に息を吹きかけた。
その時横から陸が帰ってきた。
『ただいま〜』
なんてとぼけた声をだしながら。
かりなは不機嫌な顔をしてた。
そのままあたしに近づいてきたかと思うと、
「さっき言ったんなしにしたるわ。でもうちはあきらめへんからな。」
と言って睨んで帰って言った。
あたしは陸を見つめる。