草食系王子に蜜な口づけを
「なにしたわけ?」
あたしが聞くと陸はとぼけた顔をした。
『へ?僕なんかしたの?』
陸は頭にいっぱいハテナを浮かべてた。
陸は考えこんでる。
つまり?陸はなんも知らないうちにかりなをせっとくしちゃったわけ?
「陸って凄いね・・・」
あたしの言葉の意味を理解していないのかすっごい笑ってる。
『ありがとう!!』
だからそういう意味じゃなくて、バカなのに変に凄いって意味だよ。
あたしは陸の隣に並び微笑んだ。
それにこたえるように陸も笑うと沈みかける夕日の方へと歩き出した。
陸がとまどいもなくあたしの手を握った。
冷たくなっていたあたしの手を包むように。
そして夕日の光によって2つの影が1つになった。