草食系王子に蜜な口づけを


あたしは驚きのあまり数秒止まってしまった。



陸は不思議そうに首をかしげている。



なにか言おうとしても口が動かない。



あたしが必死に喋ろうとしたとき陸が頬を膨らました。



『もぅ!なんでおこしてくれなかったのー!彩乃いつもおこしてくれるじゃん!』



陸が口をとがらせながら文句を言ってる。



てかなんでそんな平常心なのよ。



『僕・・・彩乃のこと怒らすようなことしたかな・・・』



また泣きそうになったのかうつむく陸。



いや、そんなことじゃないんだけど。



もしかしてコイツ・・・


「朝のこと覚えてないの?」



潤目のまま顔をあたしにむける陸。



しかも首をかしげながら。



『ふぇ?僕なんかしたの?』



・・・・・。



「・・・・・バカ。」



『彩乃?』



「陸のバカッ!!」



あたしはそう叫ぶと陸と反対方向に走った。
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