ガンバレ ヒカル!!
好き。
好き…。
好き……。
そう想えば想うほど、握る手の力も強くなる。
「どうしたんだよ」
廉さんに伝わってしまう程だった。
でも、隠し通さなきゃいけないんだ。
「…なんでもないです」
「不安か?」
「え?」
「顔を見たらわかる。あの時と同じだ」
あの時というのは、きっと健ちゃんと色々あった時の事だろう。
「大丈夫ですって。早く上まで行きましょう」
さっきまでの表情は何だったかのように、とびっきりの笑顔を見せて廉さんの腕を引っ張った。
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