ガンバレ ヒカル!!
「待て」
「何ですか?」
「そんなフラフラでどこ行くんだよ」
「ほっといてください」
廉さんの手を振りほどき、部屋のドアに手が触れた時だった。
「俺が何とも思ってないとでも思ってんのか?」
「え?」
その一言でアタシの足は一瞬で止まった。
廉さんの方へ振り返る。
「俺だって全然平気って訳じゃねぇんだぞ?」
「だって廉さん……」
「いい歳して恥ずかしい〜とか言ってられっかよ。俺、もう30だぞ?」
気まずかった空気が少し和らいだ気がした。
アタシが悪いのに……。
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