ガンバレ ヒカル!!

コンビニからアタシのアパートまでの距離はそんなに遠くはない。



なのに今、タイミング悪くアタシの携帯がブルブル震えている。



そっと鞄から出し確認してみると、着信相手は健ちゃんからだった。



「電話か?出ろよ。あ、男?」



『俺がいたらマズいか。黙ってようか』って言ってる間に着信は切れてしまった。



今は話したいような話したくないような複雑な心境。



今、健ちゃんの声を聞いたらきっと泣いてしまうだろうから。



『切れちゃった』って言ってなるべく平然を装ってみるけど、相手は廉さん。



接客のプロだから誤魔化しきれないみたい。



「なんだよ。元気ねぇな〜」



言って、アタシの頭を廉さんの大きな手で左右に揺さぶられた。




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