ガンバレ ヒカル!!

「こんなとこに来てどうするんですか?」


「これだよ、これ」



そう言って、廉さんは車のトランクから袋いっぱいに入った花火を取り出した。



「うわぁ!花火だぁ!」


「祭りは行かせてやれねぇけど、これぐらいならな。花火で我慢しろな?」


「うんうん!」



今日は廉さんのサプライズにやられっぱなし。



またもや意外な2人で花火をする事になった。



「廉さん、まさかこの花火わざわざ買ってきてくれたんですか?」



両手に花火を持ち廉さんに尋ねた。



「貰ったんだよ。俺1人でしても虚しくなるだけだし」


「ですよね。でも廉さん、本当にサプライズ好きですね」


「ただ喜ぶ顔が見たいだけだ」


「あたしのですか?」


「お前も一応入れといてやるよ」


「また一応って…」


「気にすんな」



最近の廉さんは、意味深な言葉とかが多くてよくわかんない時がある。



今、廉さんの中でのアタシはみんなの一員だけど、いつかはアタシだけ特別な1人になれたらって思う。



でも一緒に仕事をしてる以上は無理だよね。



でもそれが今一番の望みかな。



廉さん、今日はありがとう。



また1つ、夏の思い出が増えたよ。



アタシの中に大事に閉まっておきます。




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