茜色―菜の花畑―






「い…今のは、あれだよ…やけになったからだよ!」


『あっははは』



どうやら茜のつぼにはまったらしい。





大爆笑している。




(あたしがちょっと間違えただけなのに、ここまで笑うとは…幸せなヤツ)



『あははは』


「まだ笑ってんの?もうあたし行くからね!」


『え、待ってよ。俺も一緒に行く。』


「一緒に行くって…方向とか大丈夫なの?」


『あーそこは全然大丈夫。』


「ふーん…」






マンションから30分くらい歩いた所にあるのが、あたしが今日から通う大学だ。




朝はちょっとテンションが落ちていたのだが、大学に近づくにつれてテンションが戻ってきた。




…とまぁわくわくしていると、あたしの隣にもテンション上がってるヤツが約1名。



『うわぁ、この大学でかいなぁ。しかもキレイ!』



……絶賛していた




<関東緑葉大学>


これがあたしの行く大学の名前だ。

気付けばもう大学に着いていた。


だからよし!と気合いを入れて建物の中に入ろうとしたら…



「………茜?」


『うん?』



まさかとは思うがおもいきって聞いてみた。



「茜の受かった大学ってどこ?」


『ここ。』



……………

「えぇ!!?」


『お!俺の思った通りの反応だ。』


何も言えなくて固まってしまった。


なんか付いて建物の中に入ろうとしてるなぁとは思ったけど、まさか本当にここだったとは…




(やばい…一緒の大学だって。嬉しいかも。)



思わず顔がにやけてしまった。

それを見た茜がどうしたの?と聞いてきたが、いやなんでも?と答えた。


でも嬉しさを隠せず笑って言った。






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