運命の歯車-不思議の国のアイツ-
終章:タイムマシン
第3節:人の上
「おい、結局、何人ぐらい集まったんだ?」
レイジを含めて紅蓮のメンバーが3人と、コウとジュンは、これからのことの話し合いのために、潰れたボーリング場の中のソファーに腰掛けていた。
中は、電気がないので、暗かったが、外も雨なので、それよりは、ましだった。
「そうだな、今、50人くらいかな。」
レイジが、先ほどのジュンの言葉に答えた。
「意外と少ないな。それで、相手の方は、どれくらいになりそうなんだ?」
「100くらいかな。・・・ただ、向こうの集会に出ているメンバーの中にも、こっちのことを知っている奴もいるし、実際、どのくらいと戦うことになるのかは、分からないな。」
「・・・中立者が、いるってことか。」
コウが、ジュンとレイジの話に入る。
「ああ。勝った方につこうって奴は、かなりいると思う・・・悪いな、情けない族で。」
レイジは、少し哀しそうな声で、コウとジュンに謝った。
ただ、暗い中で話しているので、実際、レイジが、どんな表情をしているのかは、コウやジュンからは、はっきりとは見えない。
「まぁ、その方が、今は、都合がいいさ。幹部連中を叩くのを邪魔されなくてすむしな。」
ジュンは、慰めるようにレイジに声を掛けた。
しかし、コウは、それについて、レイジに何も言わなかった。
どうやら、レイジの話を聞いて、少し不機嫌になった様子だった。
「コウ?」
その様子に気付いたジュンが、コウの名前を呼んだ。
「・・・何だ?」
「どうしたんだ?・・・体調でも悪くなったのか?」
「・・・いや、何でもないよ。」
コウは、隣に立っていたジュンの肩を軽く叩いた。