運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「おい、お前、東三鷹中の田村だよな?」
ジュンを取り囲んでいる男達のひとりが、ジュンに話しかけてきた。
「・・・・だったらどうなんだよ。」
ジュンは、心の動揺が相手に伝わらないように、強がって答えた。
「お前、紅蓮に喧嘩売ってきたんだってな。」
別の男が聞いてきた。
「はぁ?何言ってるんだよ。先に喧嘩売ってきたのは、紅蓮の方だろ?」
ジュンは、聞いてきた男を睨みつける。
そのジュンの言葉を聞いて、取り囲んでいる男達が、笑い声を上げた。
「馬鹿か、お前。どっちだろうが変わらないんだよ。お前の喧嘩相手の紅蓮が目の前にこんなに大勢いるんだから、かかってこいよ。」
最初にジュンに話しかけた男が一歩前に出て、ジュンを挑発した。