運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「遅いんだよ、リョウ。」
コウが、笑顔でリョウを見た。
ジュンの彼女は、すぐにジュンの側に行き、心配そうな表情でジュンを見つめていた。
「・・・・・・・・俺には、リョウで・・・・ジュンには、彼女か・・・・」
その様子を見て、少し情けなさそうな表情になるコウ。
「何だよ、コウ。せっかく、来てやったのに。しかも、逃げてきた、紅蓮の奴、一人、しっかり殴り飛ばしてやったんだぞ。」
リョウが、自信満々に胸を張る。
「リョウ・・・・すぐに人を殴っちゃいけないんだぞ。」
コウは、呆れた表情で、リョウの肩を叩く。
「なんだよ、それ!俺は、お前のためにやってやったんだぞ!」
リョウは、怒ったような表情をなった。
「まったく、コウとリョウは、仲がいいんだか、悪いんだか。」
その様子を見ていたジンが、呆れた表情でつぶやいた。
「あの・・・ジンさん、ありがとうございました。」
ジンの後ろから、ジュンとジュンの彼女が、ジンに頭を下げた。