運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・確かにおかしくはないけどな・・・・やっぱり、お前、女より男だったんだな・・・」
納得したような表情を見せるリョウ。
「違うに決まってるだろ、リョウ!!何言ってるんだよ!!・・・・・・・ん・・・・もしかして、学校で俺がゲイなんじゃないかって噂流したの・・・・お前だったのか?」
コウは、リョウを睨みつけた。
「・・・・いや、俺じゃないけど・・・・お前に振られて悲しそうにしている女の子がいたから、ついな・・・言っちゃったんだよな。」
コウから視線を逸らすリョウ。
「・・・・・何を言ったんだよ?」
「・・・・・コウってゲイっぽくない?だから、気にするなよって。」
言った瞬間、逃げ出すリョウ。
「やっぱり、お前じゃないか!!!」
コウは、完全に暗くなった路地を大声で叫びながら、リョウを追いかけて走り出した。
しかし、コウの表情には、怒りではなく、笑顔が浮かんでいた。