運命の歯車-不思議の国のアイツ-
(蒼炎に入るかぁ・・・・どうするかなぁ~・・・)
リョウは、夜空に浮かぶ満月を見ながら考えた。
リョウ自身は、別に入ってもよかったが、アヤが、リョウが暴走族に入ることを嫌がっているので、踏ん切りがつかないというのが本音だった。
「リョウ!お前、蒼炎に入るのかよ?」
また、別の蒼炎のメンバーが、リョウに聞いてきた。
「いや、まだ、決めてないんだよ。」
リョウは、気まずそうに答える。
「入るなら、早めに入っておいた方がいいぞ?」
「何でだよ?」
リョウが、聞き返した。
「実は、もうすぐ、ジンさんが、引退するって噂があるんだよ。」
男は、小声になり、リョウの耳元でつぶやく。
「本当かよ?」
驚いた表情を浮かべ、男を見るリョウ。