運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第3節:マイとマサヤとコウ
「マサヤくん、遅くなっちゃったね。」
マイが、横を歩くマサヤに声をかけた。
「そうだね。」
マサヤも優しい笑顔でマイを見つめながら答えた。
マサヤとマイは、図書館で一緒に勉強してきた帰りだった。
マイが、勉強でわからないところがあると、マサヤに相談したら、マサヤ自らが教えてくれると名乗り出てくれた。
マイは、そのマサヤの行動に甘えたのだった。
「それにしても、山下くんも来るって言ってたのに、全然来なかったね。」
マイが少し残念そうにため息をついた。
「しょうがないよ。・・・・コウ、勉強嫌いだし。それに約束もマイちゃんが無理やりコウにさせたんだしね。」
マサヤのいうとおり、たまたま、マイとマサヤが、その話をしていた時に横に立っていたコウに、無理やり約束させたのだった。
「そうだけど・・・」
マイが、苦笑いを浮かべた。