運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・俺だけじゃ、不満?」
笑いながら、マサヤが、マイを見つめてきた。
しかし、顔を笑っていたが、その目は、笑っていなかった。
「そ、そんなわけないよ。」
マイは、その目に気づかないフリをして、笑って答えた。
「そう・・・・だったらよかったけど・・・」
マサヤは、マイから視線を逸らしながら安心したような表情に変わった。
すでに日も落ち、辺りは暗くなってる。
街灯に照らされた道を、マイとマサヤは、それからしばらく、無言のまま、歩いた。
「ワァッ!!」
マイとマサヤの後ろから、不意に大きな声を掛けられ、驚くマイとマサヤ。
振り返ると、そこには、コウが立っていた。
「な、何だよ、コウ!心臓に悪いだろ!!」
マサヤは、右手で心臓の辺りを押さえながら、コウに文句を言った。