運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第2節:噛み合う歯車
マイは、翌日の放課後、再び、屋上に行ってみた。
もちろん、タバコを吸うためではなく、また、コウに会えるかもしれないという期待感からだった。
階段を上がり、屋上へのドアを開ける。
相変わらず、屋上には、寒さと暖かさの混在した風が吹いていた。
ドアを出て、すぐの所から、屋上を見渡すが、誰もいない。
コトッ
マイは、何か音がしたような気がした。
(・・・・どこからだろ?)
といっても、目に見える範囲には、誰もいないので、あといるとしたら、屋上の出口のドアがある反対側のコンクリートの壁でさえぎられて、今、マイがいる場所から、見えないところ以外考えられない。
期待と不安が50%ずつの割合の気持ちで回り込んでのぞいてみた。
そこには、山下コウではない、男子生徒が、タバコをふかしながら、立っていた。
(・・・・山下くんじゃない・・・)
男子生徒を見た瞬間、落ち込むマイ。