運命の歯車-不思議の国のアイツ-
図書館からマイの家までは、歩いて20分程度のところにあった。
マサヤは、マイの家に着くまで、色んな話をして、マイが飽きないように頑張った。
しかし、元からあまり楽しい話が得意ではないマサヤは、どうしても、無言の時間を作り出してしまう。
(・・・・ダメだな、俺。)
心の中で落ち込みながらも、どうにか話を繋いでいくマサヤ。
マイが、マサヤのどんな話でも笑ってくれるだけに、余計に惨めな思いが強くなっていく。
マサヤが、たった20分間で3度目の心が折れそうになった時にやっとのことで、マイの家の前に到着した。
マイの家に近づくにつれて、家の前に誰か立っているのが見えた。
そして、マイの家の前に到着した時に、マイの口から、「お父さん、ただいま。」という声を聞いた。
そのマイの言葉で、一気に最大限に緊張するマサヤ。
マサヤは、自分の顔中に汗が溢れだすのを感じた。
(えっと・・・挨拶は、こんにちは・・・それとも、こんばんはかな?)
普段は迷わないことも迷い始めるマサヤ。
マサヤの心臓は、ドキドキと激しく鼓動していた。