運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・初めて聞いたぞ、コウ。お前、好きな人いたんだな。」
してやったり顔になるマサヤ。
「そ、それくらい、いるだろ、普通。」
マサヤから目を逸らし、焦った様子で答えるコウ。
コウの額からは、汗が噴き出していた。
「誰なんだよ、コウ?」
にやけながら、コウに近づくマサヤ。
「べ、別に誰でもいいだろ?」
平静を装うコウ。
しかし、コウは、動揺が激しく、明らかに平静を装えていない。
「何だよ。俺が、マイちゃんを好きってこと知ってるのに、卑怯じゃないか。」
「それは、マサヤの行動がバレバレなのが悪いんだろ?」
「俺達、親友じゃなかったのかよ!」
真面目な表情でコウに詰め寄るマサヤ。