運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「もう、怒ったぞ!」
「何だよ、心配してやってるんだろ!」
逃げるマサヤを追いかけるコウ。
しばらく、追いかけっこをした後で、コウとマサヤは、息を切らしながら、地べたに横になった。
「・・・・・つ、疲れたぁ~・・・・・」
息切れ切れでどうにか声を出すマサヤ。
「・・・・い、意外とマサヤ、足速いんだな・・・・」
コウの息の切れ切れだった。
地べたに寝転がって、息を整えながら、夜空に浮かぶ満月を眺めるコウとマサヤ。
夜空に浮かぶ満月は、二人に優しい月光を降り注いでいた。
「・・・・・俺達、お互いにうまく行くといいな。」
マサヤが、つぶやく。
「・・・・そうだな。」
コウは、再び、好きな人に会えるのか不安に思いながらも、その不安を打ち消す意味で返事をした。
「・・・・うまく行くといいな・・・・」
再び繰り返したマサヤのつぶやきが、静かに夜空に響いていた。