運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第4章:運命の決断
第1節:別れ
アヤが、父親との食事をした翌日、アヤは、ひとり、屋上から運動場で部活動をしている生徒を眺めていた。
屋上から運動場を眺めているアヤの目には、まるで力がない。
魂の抜けたような目とでもいうのだろうか。
もし、誰か他の人が、横からその様子を見ているとしたら、アヤが、急に屋上から飛び降りたとしても、何の違和感も抱かなかったに違いない。
それほど、アヤの身に纏う雰囲気は、酷く暗かった。
「・・・アヤ、どうしたの?」
アヤは、自分を呼ぶ声に気づき、後ろを振り返った。
「あっ、マイ。いつから、そこにいたの?」
明らかにいつもの笑顔ではない様子の笑顔を浮かべたアヤが、マイを見た。
「えっ、ちょっと前だけど・・・大丈夫、アヤ?3回も呼んだんだけど?」
心配そうなマイの表情。
「うん、大丈夫・・・・・ちょっと考え事していただけだから。ごめんね。」
アヤは、そう言うと再び、大きなため息をついた。