運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・何かあったの、アヤ?・・私でよかったら、何でも話して。」
マイの言葉にアヤは、いきなり、涙を流し始めた。
「大丈夫?」
マイは、焦った様子でハンカチをポケットから取り出すとアヤに差し出した。
しかし、アヤは、「ごめん、ハンカチ持ってるから。」、と言うと、ポケットからハンカチを取り出し、涙をぬぐった。
「・・・・。」
マイは、そんな様子のアヤを無言で優しい目で見守っていた。
しばらくして、アヤは、落ち着いたのか、小さな声で「・・・よし。」というと、いつもの明るいアヤに戻っていた。
「ごめんね。急に泣いたりして。」
いつもの笑顔で恥ずかしそうに笑うアヤ。
「・・・何でも聞くよ?」
そんなアヤを真剣な表情で見つめるマイ。
「・・・・うん。・・・・それじゃ、聞いてもらおうかな。」
アヤは、前日、父親と食事した時の話をマイに話した。
「政略結婚って・・・・まだ、そんなのあるんだ・・・・」
アヤの話を聞いて、驚いた様子のマイ。
それもそうだろう、この平成の世の中にいまだに政略結婚なんて、時代遅れも甚だしい。