運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「よお!二人で何しんみりとしてるんだよ。」
そこにリョウが、屋上へと上がってきた。
マイは、今、アヤの話を聞いていたばかりで、うまくリョウに言葉を返せなかった。
アヤも、マイと同様に無言のままだった。
「んっ?どうしたんだ?」
マイとアヤの様子がおかしいことに気づいたリョウが、首を傾げながら、マイとアヤを見た。
「・・・・リョウ・・・・私達、別れましょ。」
突然、リョウに別れを切り出すアヤ。
あまりの突然のことに、状況を理解しているはずのマイでさえ、驚いてしまった。
当然、状況を理解していないリョウの動揺は、マイとは比べものにならないくらい大きい。
「・・・冗談だろ?」
リョウが、動揺した表情でどうにか言葉を搾り出す。
「本気よ。」
アヤの返答は、早かった。
アヤの表情は、完全に感情を押し殺した表情になっていた。