運命の歯車－不思議の国のアイツ－

第２節：掛けるべき言葉

リョウは、呆然と立っていたが、しばらくして、気の抜けた表情で、横でリョウを見守っていたマイに何も言うことなく立ち去っていった。



結局、マイは、リョウに何も声をかけることができなかった。



男の人と付き合ったことのないマイにとって、どういう言葉をかければいいのか、まったく思いつかなかったからだ。



ただ、大事な人との急な別れをしなければいけない気持ちは、マイにも痛いほどわかった、



それだけに、余計になんとか励ましの言葉を掛けたかったが、マイには、思いつかなかった。



リョウが、屋上から出て行くのを見守った後で、マイも屋上から出て行った。



そして、マイは、屋上を出て行って、階段を下りている最中にマサヤとコウと出会った。



「あっ、マイちゃん！」



マサヤが、マイを見つけて、うれしそうに声を掛けてきた。



「マサヤくん、山下くん・・・・」



マイは、落ち込んだ表情でマサヤとコウを見た。