運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何してんだよ、リョウ?」
マイの後ろから、声が聞こえた。
振り返ると、そこには、コウが立っていた。
「別に何にもしてねぇ~よ。」
リョウと呼ばれた男子生徒が答える。
「アヤにチクるぞ。リョウが、屋上に女連れ込んでたって。」
コウは、笑顔でリョウを見る。
「違う!迷子の女の子がいたから、保護しようとしてただけだ。」
リョウは、苦笑いを浮かべながら、コウを見る。
「まったく、リョウは・・・」
コウは、呆れた表情でリョウを見た後で、マイを見た。
「・・・あれ?昨日の・・・確か・・・海堂舞って言ってた子だよな?」
「・・・うん。」
マイは、コウに会えたうれしさが、表情に出るのを必死にこらえて答えた。