運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「初めまして。私、アユミです。いつも、コウくんがお世話になっています。」
マサヤとマイのいるベンチに着くなり、アユミが、微笑みながら挨拶をした。
「なんだよ、アユミさん、その挨拶。俺がお世話してあげてるのに。」
コウが苦笑いしながら、アユミに文句を言った。
マサヤとマイは、そのアユミの挨拶を呆然と聞いていた。
「・・・?どうしたんだよ、お前ら?何で固まってんの?」
コウが、マサヤとマイが動きが止まっているのを不思議そうに見る。
「・・・・・・えっ、あっ、いや・・・・・・・初めまして、俺、二階堂マサヤです。」
「・・・・・私は、海堂マイです。」
マサヤとマイは、コウに言われて、ようやく、挨拶をかえした。
そして、挨拶を返すとすぐに、マサヤが、ベンチから立って、コウの側に行くと、小声で「・・・・どういう関係だよ?」、とつぶやいた。
「はぁ?何か勘違いしてないか?ただの知り合いだよ。」
コウが、勘違いしているマサヤに笑いながら言った。
「あの~・・・もしかして、妊娠されてるんですか?」
マイが、興味深そうな顔でアユミのお腹を見ている。