運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・やっぱり、わかっちゃう?私、あんまり、お腹出てないから、わからないかなって思ったんだけど。」
アユミは、お腹をさすりながら、ゆっくりとマイの隣に腰を下ろした。
「・・・・さわってもいいですか?」
マイは、何度もアユミの顔とお腹を交互に見て、さんざん迷った挙句、思い切って聞いてみた。
「・・・・いいわよ。」
アユミは、優しくマイに微笑みながら答えた。
マイは、ゆっくりとアユミのお腹に手を当てる。
そこにある新しい命を感じようと目を閉じてすべての神経をアユミのお腹に当てた右手に集中する。
しかし、マイには、なにも感じられなかった。
残念そうに手を離すマイ。
「もう少ししたら、お腹蹴ったりするのかもしれないけどね。」
残念そうなマイにアユミが、声をかけた。
「あっ、俺も触りたい。」
今度は、マサヤが興味深そうに声を上げた。
そのマサヤに注目するマイとアユミとコウ。
みんなの目は冷たかった。
その目に気づき、焦るマサヤ。