運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「ち、違うんだよ!変な意味じゃなくて、俺、将来、医者になりたいから、興味があったんだよ。本当だって。」
マイ、アユミ、コウと順番に見ながら、必死に言い訳をするマサヤ。
「マサヤも男だもんな。」
コウは、マサヤの肩を叩く。
「そういうことに一番興味ある年頃だもんね。」
アユミが、大人な笑顔を浮かべて言う。
「・・・・・・不潔。」
そして、マイのトドメの一言。
「だから、違うんだよ!!!!!!!!」
マサヤの必死の叫びが、夕方の公園にコダマした。
「冗談よ。別に触ってもいいけど・・・・」
アユミが、笑いながら言い、コウを見た。
「・・・・マサヤ・・・アユミさんのお腹の子・・・暴走族総長の子供だぞ。」
コウが、アユミに見られて、言葉を付け足す。
「・・・・暴走族総長の・・・・こ・・ど・・・も?」
驚いたようなマサヤ。
そして、そのマサヤの横では、マイの動きが止まった。
「そうなの。それでも、触りたい?」
小悪魔っぽい笑顔でマサヤを見るアユミ。
「いえいえいえ、そんな触るなんて失礼なマネ致しません。」
マサヤは、光速で首を横に振りながら、アユミから距離をとった。
そのマサヤの様子を見て、声を上げて笑うコウとアユミ。
しかし、そうした状況の中、マイが、下を向いたまま動かないことにコウは、気づいた。