運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・・・・ごめんなさい。・・・・ちょっと、思い出して。」
マイは、言いにくそうに下を向く。
「・・・・言いにくいなら別に言わなくてもいいのよ?」
アユミは、マイに優しく声を掛けた。
「・・・・・いえ、大丈夫です。暴走族っていう言葉聞いて・・・・・・お母さんが、轢かれた時の状況思い出しちゃって・・・・。」
顔を上げ、気丈に振舞うマイ。
そのマイの気丈さは、無理やり作っていて、見ているコウ、マサヤ、アユミの目には、痛々しく映った。
「暴走族に轢かれたの?」
アユミの言葉にマイは、無言でうなずいた。
「・・・・・あっ、もしかして、ちょっと前にあった暴走族の薬物中毒者が起こした暴走に巻き込まれた事故って・・・」
アユミがマイを見る。