運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「何だよ。コウの知り合いかよ。」
リョウが、マイとコウの顔を交互に見る。
「ああ、ちょっとな。」
コウは、マイに笑いかける。
「うん。ちょっとね。」
マイもコウの笑顔につられて、笑いながら答えた。
「ちっ、てっきり俺に告白しに来たのかと思ったよ。」
残念そうに横を向いて吐き捨てるリョウ。
「お前にはアヤがいるだろ?」
コウは、呆れた表情でリョウを見た。
「んなこと関係ねぇ~よ。俺、この子みたいに優しそうでかわいい子と一回付き合ってみたいと思ってたんだよな。」
そう言いながら、リョウは、マイのアゴにリョウの右手を優しく当てて、マイの顔をリョウの視線とあわせる。
マイは、驚き、すぐにリョウから逃げて、コウの背中に隠れた。