運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第4節:ジン登場
「あっ、そうだ。いいこと思いついた。」
マイを優しく抱きしめていたアユミが、急に声を上げた。
その声に驚いて、マイは、アユミの胸から離れる。
そして、そのマイにマサヤが、ハンカチを差し出した。
「よかったら、ふきなよ。」
「・・・ありがとう、マサヤくん。」
マイは、少し笑み浮かべながら、マサヤから素直にハンカチを受け取った。
そのハンカチで、涙をぬぐうマイ。
その様子を安心した様子で眺めていたコウが、アユミに尋ねた。
「どうしたんですか、アユミさん?」
「私、いいこと思いついちゃった。」
うれしそうにコウを見るアユミ。
そして、携帯電話を取り出すと、どこかに電話をかけ始めた。
その様子を見守るコウとマイとマサヤ。
アユミは、少し話した後で、「・・・・・・・・・・だから、早く来てよ。」と言うと、電話を切った。
「誰か呼んだんですか?」
アユミの行動の意図がわからないコウが尋ねた。