運命の歯車-不思議の国のアイツ-

第4節:ジン登場




「あっ、そうだ。いいこと思いついた。」



マイを優しく抱きしめていたアユミが、急に声を上げた。



その声に驚いて、マイは、アユミの胸から離れる。



そして、そのマイにマサヤが、ハンカチを差し出した。



「よかったら、ふきなよ。」



「・・・ありがとう、マサヤくん。」



マイは、少し笑み浮かべながら、マサヤから素直にハンカチを受け取った。



そのハンカチで、涙をぬぐうマイ。



その様子を安心した様子で眺めていたコウが、アユミに尋ねた。



「どうしたんですか、アユミさん?」



「私、いいこと思いついちゃった。」



うれしそうにコウを見るアユミ。



そして、携帯電話を取り出すと、どこかに電話をかけ始めた。



その様子を見守るコウとマイとマサヤ。



アユミは、少し話した後で、「・・・・・・・・・・だから、早く来てよ。」と言うと、電話を切った。



「誰か呼んだんですか?」



アユミの行動の意図がわからないコウが尋ねた。

< 160 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop