運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「うん。ジンくんに来るように言ったの。」
「・・・何でジンさん、呼んだんですか?」
「だって、ジンくんが暴走族総長のせいでマイちゃんが泣いたんだから、ジンくんが謝るのが当然だと思うの。」
真面目な表情でまったく意味のわからないことを言うアユミ。
「・・・・・・・・あの~ジンさん、関係ないですよね?」
コウが、こういうのも当然だった。
「そんなことないよ。絶対、ジンくんが謝るべき。」
譲らないアユミ。
「はぁ・・・・・そうですか。」
コウは、ジンが来てからのことを思うと、気が重くなった。
「コウ、ジンって誰?」
マサヤが、コウに近づいてきて、耳元で小声で聞いた。
「・・・・・アユミさんの彼氏。」
コウも小声でマサヤに言った。
「ということは・・・・暴走族の総長?」
再び、小声でコウに尋ねるマサヤ。
マサヤの言葉にコウは、大きく縦に首を振った。