運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・じゃ、帰るよ、俺は。」
急に帰ろうとするマサヤ。
「何でだよ?」
それを引き止めるコウ。
「だって、俺、まだ死にたくないし。」
必死の形相でコウを振りほどいて帰ろうとするマサヤ。
「大丈夫だよ、マサヤ。ジンさん、優しいから。」
そんなマサヤを必死に説得するコウ。
「だって、俺を殺しに来るんだろ?」
「何でだよ?」
「・・・・ほら、さっき、アユミさんのお腹に触ろうとしたから。」
マサヤは、少し顔を赤くして言う。
「違うよ。」
呆れた表情で断言するコウ。
「・・・・・本当に?」
「本当だよ!」
「・・・・わかったよ。」
やっとマサヤは、コウの言葉に安心して、その場に残った。
そうこうしている内に、甲高いバイクの音が、公園に近づいてきた。