運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「・・・・・どういう意味だよ?」



リョウが力ない口調でコウに尋ねる。



「意味か?気づかないなら、教えてやるけど、そんなだから、アヤに振られるって言ってんだよ!」



にやけた表情でリョウを馬鹿にするコウ。



「・・・・もう一度言ってみろよ?」


リョウの目に力がこもる。



「もう一度?遠慮するなよ。何度でも言ってやるよ。このフラレ虫・・・・・・」



バキッ!!



リョウに殴られ、膝をつくコウ。



膝をつくコウを睨みつけるリョウの目には、怒りのあまり、炎を上がっているように見えた。



「・・・・いい加減、黙れ。」



リョウが、膝をついているコウに冷たく言い放つ。



そして、そのまま、その場を立ち去ろうとする。



そんなリョウの肩を立ち上がったコウが背中から掴んで、リョウを立ちどめる。



コウに背中から肩をつかまれ、振り返るリョウ。



ボコッ!!!!



振り返った瞬間に、コウに殴られたリョウは、先ほどのコウと同じように片膝を地面についた。

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