運命の歯車-不思議の国のアイツ-



「ハァ~ハァ~・・・・・・」



息を切らしながら、コウとリョウは、地面に仰向けに倒れている。



「・・・・・少しは、元気になったみたいだな。」



コウが、体を上半身だけ起こしながら、リョウに話しかけた。



「・・・・・何が元気になっただよ。馬鹿みたいに殴りやがって。」



リョウが、文句を言いながら、コウと同様に体を上半身だけ起こす。



「それは、こっちのセリフだろうが!ちょっと、挑発したら、キレやがって。普段からニボシ食わないから、怒りやすくなるんだよ。」



「・・・・俺をキレさせるために挑発したんだろうが。だったら、キレてもいいだろう?」



「わかってんなら、もう少し、手加減して殴れよ。」



コウが、少し赤くなった右の頬をさすりながら、リョウに文句を言った。



「・・・・・そういう気分じゃなかったんだよ。」



自分でもわかってるのか、少しバツが悪そうな表情でリョウが答えた。



「・・・・それで少しは、元気になったのかよ?」



コウは、少し恥ずかしそうにリョウを直接見ることなく言った。



「・・・・まったく下手な励まし方しやがって・・・・励ますなら、普通に励ませよ。」



リョウが、今日始めて、コウに笑顔を見せた。

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