運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・・ハハハハハッ」
急に笑い始めたリョウ。
リョウの笑い声が、暗闇の体育館裏に響き渡る。
「・・・・大丈夫か?頭おかしくなったのか?」
そんなリョウに心配そうに声を掛けるコウ。
「あっ?ああ、悪い。いやな、アヤ、理由教えてくれなかったから、どんな理由かと思ったら、そんな理由だったなんてな。・・・・・安心したんだよ。」
リョウが、本当に安心したような表情でコウを見た。
そのリョウの表情は、コウが良く知っているリョウのいつもの表情だった。
「・・・・まぁ、安心したよ。リョウがいつもの様子に戻って。マサヤも海堂も心配してたんだぞ。」
「・・・・ああ、今度会ったら、お礼言っとくよ。心配してくれてありがとうってな。」
リョウとマサヤが、顔を見合わせて笑った。
「リョウなら、新しい彼女ぐらい、すぐにできるよ。」
「・・・・・・」
コウの励ましに黙り込むリョウ。