運命の歯車-不思議の国のアイツ-
第6節:リョウとアヤ
翌日の放課後、リョウは、アヤを屋上へと呼び出した。
「何、リョウ?」
昨日、リョウと振った時と同じように冷たい表情をしているアヤ。
ダルそうに立っている。
「・・・・コウから聞いたんだけど、政略結婚するんだってな?」
リョウは、真面目な表情でアヤを見つめた。
「・・・・コウが?・・・・・まぁ、いいけど。理由がわかったんなら、納得できたでしょ?」
相変わらず、そっけない態度をするアヤ。
「俺が、あんなしょうもない理由でアヤのこと諦めるとでも思ったのか?」
自信に満ち溢れたリョウ。
その目は、真っすぐにアヤを捕らえている。
「リョウが、諦めるも、諦めないも関係ないの・・・これは、決定事項だから。」
アヤは、初めて感情を表情に出した。
その感情は、哀しみ。
アヤの顔には、哀しみの感情が溢れ出していた。
「何、勝手に決めてんだよ?そんなもん、家を出ちまえばいいじゃないか?」
さも簡単な事のようにいうリョウ。
アヤの目が点になる。