運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・リョウ・・・・私、まだ、中学3年生だよ?無理に決まってるじゃん。」
呆れた表情でリョウに言い聞かせるアヤ。
「そんなもん、関係あるか!俺が、アヤの面倒見てやるから、問題ないだろ!」
リョウの言葉にアヤが固まる。
「・・・・・・・・・・どういう意味なの、リョウ?」
アヤは、リョウの気持ちを量りかねて聞いた。
「どういう意味も何も、今、言ったとおりの意味だよ!」
リョウは、真剣な表情でアヤを見つめる。
「・・・・リョウ、口だけでいくら簡単に言えても、社会は、そんなに簡単じゃないのよ?中学さえまだ出てない、私達が暮らしていけるほど、世の中は甘くはないの。」
哀しそうに、それでいて、どこかうれしそうな表情でリョウを見るアヤ。
「・・・・いつ結婚するんだよ?」
リョウが尋ねた。
「・・・・結婚は、すぐにはしないけど・・・・婚約は、来週の日曜日にやることになってるわ。」
無表情になり答えるアヤ。
感情を殺さなければ、リョウに告げることなどできはしなかった。