運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「ん、どうしたんだよ?」
コウが、リョウに声をかけると同時に、コウとマイの後ろから、別の声が聞こえた。
「何を私にチクるって?」
その声に、コウとマイが振り返る。
「あっ、アヤ・・・」
コウが、思わず、つぶやく。
マイも名前だけは当然知っていた。
この中学校の一番の有名人と言っても過言ではない、御薗グループのお嬢様である、御薗アヤが、そこに立っていた。
「リョウ、私に隠してることでもあるの?」
アヤは、マイとコウには、目を向けず、真っすぐにリョウの前に立つ。
「・・・あるわけないだろ?」
アヤと目を合わせずに答えるリョウ。
「・・・コウ!リョウ、何か隠してるの?」
リョウが言わないので、今度は、コウの前に立つアヤ。